新しい現場に行くときは、いつも新しい会社に就職するような感覚です。

工事の開始から完成まで、幅広く関わる仕事

建築現場で、設備分野の現場監督をしています。
建物をつくるためにはまずベースになる設計図があって、その設計図をもとに、実際に現場でどのように施工するか指示するための施工図を作成します。
これがいつも工事を始める前にやる、最初の仕事です。

一つの現場で、設備工事、建築工事、電気工事などいろんなことが同時に進行するので、各パート間の打ち合わせやスケジュールの調整、現場で実際に作業してもらう職人さんへの指示出しなども、現場監督の役割です。
工事が始まったら、しっかりと図面通りにできているかのチェックも行います。一度工事が始まると、お客様に引き渡す時まで基本的には現場に付きっきり。会社にデスクはありますが、そこにいるのは1年間で合計2ヶ月ぐらいでしょうか。

若い頃はただがむしゃらに、必死に働いていました

僕はもともと工業高校の出身で、設備システム科という、設備に特化した学科ができた年に入学した第一期生でした。
新しくできた科だったので、教室も新築です。そこの設備工事を担当していたのが、一圓テクノスでした。
見学という形で何度か現場に行かせてもらっているうちに、働いている人達の様子から雰囲気のいい会社なのが伝わってきたのを覚えています。就職活動をする時に、担任の先生の勧めもあって、すぐに入社を決めました。

入社してから若いうちは覚えることも多く、ただがむしゃらにやっていたので、30代後半になってやっと仕事を楽しいと思う余裕が出てきました。
20代の頃って、仕事をお願いする職人さんも現場にいる人も、みんな年上なんです。二十歳そこそこの若造が、一回り以上年上の職人さんにお願いして仕事をやってもらうプレッシャーもあって、必死でしたね。
職人さんは30から40代の方が多いので、今でやっと同年代。僕自身も経験を積んできて、かなりスムーズに仕事を進められるようになりました。自分の描いた図面通り、何の問題もなく工事が完成した時は「よっしゃ!」って思います。

工事が始まった後は、忙しくない方がいい

現場の職人さんは図面を見て作業をするので、その図面をどれだけわかりやすく、正確に描くかが工事の仕上がりに大きく関わってきます。
後で「ここがわからないから教えて」と言われることがないように、細かいところまで気を配って図面を作り込む事が重要です。聞かれるとお互い手が止まって、余分な時間がかかってしまいますから。

建物の設計図には、配管をここからここにつなぎなさいという指示があるだけなので、どんな経路でつなぐかに、その人の個性が表れます。
図面を見れば誰が描いたのかすぐにわかるぐらい。そこはもう、センスと経験だと思います。

僕達の仕事って、実際に工事が始まった後は忙しくない方がいいんですよ。
極端に言えば、ぼーっとしていても現場が勝手に進んで行くのがベストです。前準備をしっかりやっておいて、現場が忙しくなる頃には
自分は自由に動けるようになっているのが最も良い状態。大きい現場になると、一度に50人ぐらいに向けて指示を出さないといけないので、事前に図面をきっちり描いて、打ち合わせを漏れなくやっておくよう、いつも心がけています。

自分で何かを作るのが好きな人は、楽しめる仕事かも

新しい現場に行くときは、いつも新しい会社に就職するような感覚です。
その現場に事務所も構えるので、毎回引っ越しをしているような、新鮮な気持ちになりますね。
一緒に働く人達は、これから数カ月間、同じ方向に向かって進む仲間ですから、こまめにコミュニケーションを取ることを大切にしています。

仕事は楽しいですよ。先輩や仲間と話すのも楽しいですし、たまに飲みに行ったりもします。
今はもう仕事が趣味のようになっているので、休みの日でも、気がついたらYouTubeでリフォームの動画をずっと見ていた、なんてこともあります。

こんな風になるんだと感心したり、自分ならこうするな、と考えてみたり。だから、自分で何かを作るのが好きな人には楽しめる仕事なんじゃないでしょうか。
図面にしてもそうですし、ある程度の決まりはありますが、そこからは自分で考えながら作り上げていくので。想像力が豊かな人にも向いている仕事だな、と思います。

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